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英語教育は、「臨界期」の前から!!

「英語教育はとっても大切!」と多くの方がこの考え方に賛成します。では、英語を勉強するのに最も適した時期はいつなのでしょうか?

1967年、神経・言語学者のLennebergは、人間の脳は思春期になると可塑性(かそせい)が失われるということを発見しました。もし、臨界期の前に言語(母語・外国語)を学ばなければ、各言語の音声要素や文法要素などを充分に把握することができず、その言語を完全に習得することが難しくなると言っています。これはいわゆる、臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)に基づいています。また、Kim, Relkin, Lee と Hirsch(1997)が核磁気共鳴(かくじききょうめい、NMR、Nuclear Magnetic Resonance)MRIを利用して実験した結果、幼児期に2種類以上の言語を学んだ子どもは、脳の一つの場所を利用して複数の言語を学んでいることが分かりました。つまり、幼児期の他言語学習は、母語を身につけるのと同じ脳のメカニズムが働くため、自然に第二言語が学べるということです。

Singleton(1999)も早期言語学習を支持しており、95%の人にとって、第二言語を学ぶのは早ければ早いほど良いと述べています。特に「発音」について、ある一定の年齢になってから第二言語を学んだ学習者は、文法やたくさんの単語を習得していても、ほとんどの人は母語のアクセントの癖が残ってしまうと述べています。Oyama(1976)、Bialystok、 Hakuta(1994)は、第二言語を学ぶのに生理的な臨界期があるとは必ずしも言えないという立場を取りながらも、平均的に第二言語を学習する能力は年齢が上がるにつれ低下していくと述べています。また、6歳以前の幼児は音声情報に対して敏感で、かつ右脳が声帯、舌、唇などの運動神経をコントロールする能力も高いとも言われています(Cole & Cole, 2001)。従って、臨界期を迎える前に言語学習を開始すれば、正しい発音を習得することは比較的簡単であると言えます。

単一言語の環境で育った子どもは、脳内で言語をつかさどる部位が一つの言語にしか反応しません。自分の母語にない、あるいはあまり使わない言語要素には敏感に反応しません。(例えば、日本語の中に、Rという音声要素が存在しないため、英語のRの発音の習得が難しい。)言語環境からの刺激は、脳の神経細胞に与える影響がいかに大きいかが分かります(Chen, 2002)。したがって、右脳と左脳を統合し、神経細胞との連携を強化するためには、幼児期にたくさんの言語的刺激を与えた方が良いと言えます。

子どもたちが英語を習得できるかどうかは、保護者の皆さまの決断にかかっています!臨界期を迎える前の第二言語の早期学習以外に、その分野の専門家である教師から適切な指導を受けさせ、お子さまとインターアクション(対話・やりとり)をし、楽しく効果的な学習環境と学習機会を与えてください。将来の言語学習の基礎を築くためにも、臨界期を迎える前に、英語教育を始めましょう!